オリジナルシナリオ｢小さな夢の。｣
登場人物
少年
少女
都会の人々
○ 新幹線
雪の残る大地を走る新幹線。
○ 同内
期待に胸をふくらませた表情で窓の外を
眺める少年。
傍らをちらりと見る。
使い古されたギターケース。
少年、慈しむようにギターをなでる。
再び、変化し続ける窓の外を見る。
冒頭よりさらに期待は膨んだ様子。
○ 都会の駅広場（昼）
広場の隅に置かれるギターケース。
笑顔で弾き語りをする少年。
忙しく行き交う人々。
行き交うたくさんの人々の中、懸命に歌
う少年。
喧騒にかき消されてゆく歌声。
＊ ＊ ＊
そのまま、夜になる。
昼より少し減ってはいるが、やはりたく
さんの人々が忙しく行き交う。
ギターケースをかかえ、とぼとぼと家路
を行く少年の後ろ姿。
○ 都会の駅広場
強い風の中、歌い続ける少年。忙しく行
き交う人々。
○ 都会の駅広場
暑い日差しの中、歌い続ける少年。忙し
く行き交う人々。
○ 都会の駅広場
どしゃぶりの中、わずかな庇の下で歌い
続ける少年。忙しく行き交う人々。
しかめっ面で歌う少年。
指をさして笑う、流行の服を着た少年
達。
うつむいて歌う少年。
水溜まりに、雨粒で歪む少年の姿。
上を向いて歌う少年。
ビルの間から見える小さな空。どんより
暗くて、どんどん雨粒が落ちる。
曲が終わり、空を見たまま少年はため息
をつく。
少女の声「あの…」
か細くも都会の喧騒をかき消すように
はっきり少年の耳に届く。
即座に正面を向く少年。
赤い傘の、可愛らしい少女。少し頬を赤
らめて。
少女「頑張って…下さい」
目を見開く少年。
駆け足で去る少女。
いっぱいに息を吸い込む少年。みるみる
うちに頬は赤くなり、嬉しさに口元が緩
んでいく。
雲から光が射し、青い空が広がってい
く。
ギターケースをかかえ、全身で喜びを表
現する少年の後ろ姿。
青空に大きな虹が架かっている。
ちょっと前作った、CMとか番組と番組の間のちょっとした番組なんかに使えそうな、そーでもなさそーな作品。
この作品はなかなかお気に入りです。
｢作品｣とか言ったの、初めてだろ…な。
夢見て頑張る人たちをちょっとでも応援できたらなー…ってかんじの作品です。
何か感じたこととかあったら、感想くださいねm(_ _)m