ロマサガグレクロネタシナリオ
○ メルビル・2階テラス
(「オウルの呼び声」(クローディアが帝国の皇女と判明)直後)
テラスから月を眺めるクローディア。
グレイが現れる。
グレイ「眠れないのか」
クローディア「(月を見たまま)…月が見た
かったの」
クローディアの見つめる月を見上げるグレイ。
グレイ「…そうか。」
クローディア「この街は月がよく見えないか
ら嫌い」
グレイ、月に背を向ける。
グレイ「…すまない。メルビルはうかつだっ
た」
クローディア、少し驚いてグレイを見る。
クローディア「…どうしたの?あなたらしく
ないわ」
グレイ「…一人で出歩くな。……面倒だ」
クローディア、クスクス笑う。
クローディア「平気よ。今までと変わらない
わ」
グレイ、クローディアを覗きこむように
見る。
グレイ「今まで一人で出歩いたりしたか?」
クローディア、真顔に戻り、月を見上げ
る。
クローディア「…少し一人になりたかっただ
け…」
グレイ「駄目だ」
クローディア、持っている弓を握り締め
る。
クローディア「弓だってちゃんと…」
グレイ「駄目だ」
クローディア「………」
グレイ「クローディア。お前に何かあったら――」
グレイ、言葉を詰まらせる。
クローディア、不思議に思ってグレイを見る。
グレイ「――面倒だろう」
クローディア「……」
クローディア(…グレイ…さっきも『面倒』
の前に少し…)
クローディア「…ふふっ」
グレイ「(少し動揺)…何がおかしい?」
クローディア「どうしてわざわざ『面倒』だ
なんて言い直すの?」
グレイ「…言い直すだと?」
クローディア「面倒なんて思ってないんでしょ
う?」
グレイ「…勘違いしているようだな」
クローディア「(クスクス笑いながら)そう。
いいわ、勘違いでも」
グレイ「…笑うな。気分が悪い」
クローディア、笑いを抑えようとするが、
やはり抑えきれずクスクス笑う。
グレイ「そんなにおかしいか?」
クローディア、笑いながら涙を浮かべて
いる。
グレイ「…クローディア。」
クローディア、うつむく。
クローディア「…ほんとは…オウルがいなく
なって…シルベンとブラウと離れて…」
グレイ「分かってる。無理に話すな」
クローディア「………」
グレイ「お前は俺が必ず護る」
クローディア「…グレイ…」
グレイ、クローディアの涙をそっと指で
拭う。
グレイ「…泣きたかったら…俺の側で泣けば
いい…」
クローディア、涙を浮かべたまま微笑む。
クローディア「…ありがとう。グレイ…」
グレイとクローディアは似た者同士だなーと思います。
愛想ってもんがなくて感情を表に出さない。
仲間から外す時他のみんなはしょぼーんとするのにこの二人だけ「背を向ける」仕草。
「ニンフ像、見つかりましたか?」って言うマリーンに
グレイは「そんなものは探していない」
クローディアは「私は探していないわ」
って。ちょっとウケたよ。
そんな二人が二人でいる時だけちょっと本音を垣間見せたりする…
って感じがいいな〜。